おまとめローン

おまとめローンで年収以上にお金は借りられる?

おまとめローンは、それまでの借金を1つにまとめて借入先・返済先を一本化するものです。高額の融資になりますが、それでも年収以上の額を借りるのは困難と言っていいでしょう。

法律上はおまとめローンで年収以上を借りるのは可能

総量規制とおまとめローンの関係

おまとめローンは総量規制という法律と大きく関わっています。年収による借入の制限をした代わりに、例外を設けて制限をなくすというのが改正貸金業法です。

総量規制があることと、おまとめローンが認められることは「利用者の生活を保護する」という目的では一致していることで、表裏一体です。

貸金業法としては、借入金が膨らみすぎて返済に困ったときに、総量規制を超えて借りるにはおまとめローンとして一本化するしかありません。

2006年に貸金業法が改正されたときに制定された「お金の借り過ぎを防ぐ」ための法律が総量規制です。消費者金融業者で借入するときには、他社と合算して年収の3分の1を超える金額は借りることができません。

この論理で行くと、年収以上の額を借りることはできなくなります。

そこで、融資を受けている金額の合算が年収の3分の1を超えてしまっているときに、高い金利で複数の業者にずっと返済し続ける事態を収拾するために「おまとめローン」というローン商品を提供することになりました。

おまとめローンはローン商品の名称というだけでなく、法律によって消費者を保護する規定のひとつです。年収の3分の1を超える借金を抱えてしまったとき、消費者は返済に追われて生活が困難になります。

そこで、返済の負担が軽減できる「おまとめローン」というものを各社に用意させ、総量規制の対象外としたのです。法律上は「顧客に一方的に有利となる借り換え」と定められており、必ず返済の負担が軽くなることが規定されています。

総量規制の例外・除外

総量規制という法律には、除外や例外が設けられており、条件次第では規制を超えて借入することが可能です。
  • 除外→総量規制の対象とならないもの
  • 例外→年収の3分の1を超える場合でも一定の条件を満たすことで借入できるもの
除外
  • 自動車購入時の自動車担保
  • 高額医療費
  • 有価証券担保貸付
  • 不動産担保貸付
  • 手形割引
例外
  • 顧客に一方的有利となる借り換え
  • 緊急の医療費
  • 社会通念上必要と認められる緊急の貸付
  • 配偶者と併せた年収3分の1以上の借入
  • 金融機関から借入するまでのつなぎ融資
  • 個人事業主に対する融資

除外貸付で個人消費者として関係があるのは、たとえば住宅ローンやマイカーローンなどでしょう。医療費は高額のときに除外貸付、緊急のときには例外貸付として総量規制を超えて借りることができます。

不動産を担保にして個人が銀行などから借入することができますが、これも除外貸付です。おまとめローンは例外規定にある「顧客に一方的有利となる借り換え」にあたります。

また、個人事業主に対する融資も総量規制の対象外です。

総量規制の対象外の貸付

総量規制で「規制される」のは個人だけです。法人は対象外とみなされます。総量規制の根拠法は貸金業法で、貸金業者を規制するための法律です。

貸金業者とはお金を貸すことを専業とする商売をやっていて行政に登録している業者のことで、消費者金融業者やクレジット会社、信販会社などがこれにあたります。

つまり総量規制は、個人消費者が貸金業者からお金をの借りるキャッシング行為を規制する法律です。

そのため、たとえば銀行の取引は対象外となります。銀行を取り締まる法律は銀行法であって、貸金業法ではありません。そのため、銀行からの借入は総量規制の対象外です。

また、たとえ個人の借入であっても、借りるお金が事業資金であるときには総量規制の対象から外れます。そのため、個人事業主向けのローンは総量規制の制限を受けません。

おまとめローンは、総量規制の例外貸付ですので法律だけで見ると、年収以上でも借りることが実は可能です。法律上は年収300万円の人がおまとめローンを活用して300万円借入すること自体には問題ありません。

実際にいくらまで借りられるのか?

実際に、おまとめローンを使ってお金を借りるときに無限に借りられるかというと、そうではありません。総量規制の対象外ですが、基準はあります。その基準のひとつとなるのが「返済負担率」です。

これは年収のうち1年間でどのくらいの額を返済できるのかという割合を表した数字のことです。返済負担率が考慮されるのは主に住宅ローンです。おおよそ返済負担率は住宅ローンでは30%前後と言われています。

銀行の住宅ローンの規約を見ると、借入の条件のところに返済負担率についての記載があります。返済負担率は年収にその割合を掛けて、それを12で割って1ヶ月あたりの返済額を計算します。

たとえば年収300万円の人が返済負担率35%で借りようとしたとき、以下のような計算になります。

年間の返済額は年収の30%→300万円×30%(0.3)=60万円

1ヶ月あたりの返済額→60万円÷12=5万円

1ヶ月あたり5万円として、それを5年間支払うと単純計算でちょうど300万円となります。

ただ、これも計算上は成り立っているだけのことで、実際には年収以上の額をおまとめローンとして組むことはかなり困難です。おおよそ、年収の50%か、多くとも60%程度というのがおまとめローンの限度額の相場です。

年収が300万円の人は150万円か多くとも200万円程度が限界でしょう。

おまとめローンよりもビジネスローンのほうが年収以上の借入ができる

個人事業主への貸付は総量規制の例外

総量規制では、個人向け融資として年収の3分の1以上は借入することは不可能ですが、それはあくまで「個人消費者」として借りた場合の話です。

個人の消費者としての立場でおまとめローンを申し込んでも、総量規制を超える借入は法律上は可能ですが、実際には年収の50%から60%程度までが限界です。

ここで個人事業主なら話は別になります。自営業を営む個人事業主は銀行からの融資が難しいこともあって、個人消費者として消費者金融業者のカードローンを利用して収入が振り込まれるまでの生活のつなぎ資金とするというケースが多くあります。

ここで年収の3分の1以上の借入を一律に適用すると、個人事業主は難しい立場に追い込まれます。というのも、個人事業主のほとんどは、税金対策のために確定申告ではなるべく経費を計上しているために、申告書に記載されている所得は少ないからです。

所得の3分の1までしか借りられないとなると融資額も減ってしまいます。そのため、個人事業主としての融資は総量規制の例外貸付として年収の3分の1以上でも借りることができるようになっています。

経費の計上によって年収を低く見せている個人事業主は、年収以上に借りられる可能性があります。

個人事業主専用ローンを利用する

1.個人事業主専用ローンとは

個人事業主専用ローンというローン商品があります。これは主に個人事業主をメインのターゲットとするもので、消費者金融業者や専門の会社が提供しています。

事業者として借入するものですので資金使途は事業性のあるものに限定されるものが多くありますが、個人事業主は事業と実生活のボーダーが分かりにくいために、実際には生活資金としても活用できます。

限度額が高めの設定になっているものが多く、使い方次第ではおまとめローンを利用するよりも有利に借入できます。

2.メリット

個人事業主専用ローンのメリットは、総量規制の対象外という点です。かなりグレーゾーンですが、年収の3分の1以上を借りて生活資金に流用するケースは多くあります。

また、消費者金融業者と同様に即日融資に対応しているものも多く、早めに資金を調達したいときに利用できます。返済期間が長く設定している商品も数多くあります。

3.デメリット

このローンのデメリットとしては、ローンによっては事業性資金であるかどうかを証明しなければならないものがあることです。業歴などを細かくチェックされます。

金利面でもあまり有利な条件ではないローンも多く、借入しすぎて返済に行き詰まってしまう可能性もあります。

副業でも個人事業主になれる

個人事業主はサラリーマンをしながらでも始めることが可能です。近年は終身雇用制度が崩壊しつつあり、大手の会社でも急激に業績が悪くなることも珍しくありません。そのため、収入を支えるために副業をしているサラリーマンは多くいます。

会社としては副業禁止でも、バレないように上手にやっている人もたくさんいます。サラリーマンが副業としてできるものには、ネットオークションやFXなどの投資、ネットショップの経営、webでのイラスト受注など幅広くあります。

事業として行っていることが認められるのは、その仕事で年間20万円以上の所得があることです。副業で20万円以上の収入があるとき、確定申告の必要が出てきます。

個人事業主として青色申告することも可能です。やり方次第では本業のサラリーマンよりも稼ぐことも可能で、そのまま独立する人も数多くいます。

個人事業主になるメリット

会社で働きながら個人事業主になるのには大きなメリットがあります。もし事業のほうで赤字が出たとき、そのマイナスの事業所得とサラリーマンとしての給与所得の損益通算ができることです。

給与所得のほうから事業の赤字を差し引いて、課税所得を低くすることができます。結果的に給与所得から算出された所得税の過払い分が還付されます。

また、個人事業主として確定申告するときに青色申告にしておけば、特別控除として最大65万円が控除されます。

そのため、課税所得を圧縮できて節税になります。自宅で事業を行う場合にはパソコンなどの資産や電気代、通信費の一部を経費として計上することもできます。

また、個人事業主として仕事をして報酬をもらっていれば、年収以上に借入できる可能性も高まります。個人事業主向けのビジネスローンは限度額が高めの設定のものも多く、今までの個人消費者として借入していた分をカバーするだけの借入をすることもできます。

担保付きローンを利用する

担保評価額で融資される

おまとめローンは信用情報に問題があったり、返済状況に遅れがあったりするときには審査に通過するのは難しくなります。

借入額が多いですし、返済期間も長いために無担保・無保証人で借り入れするのには限界があります。

そういった場合のために、不動産担保ローンという商品が銀行や消費者金融業者で提供されています。

不動産担保ローンは、返済できなくなったときに担保となっている不動産を売却・競売にかけることによって資金を回収するローンです。

信用情報に問題があっても返済能力以上の借入をしていても、抵当に入れることができる不動産がああれば融資される可能性があります。

融資額は担保の評価額の一定の範囲内となります。通常は評価額の50%程度までは融資されるという商品が多く、担保の評価額が2000万円の土地があれば1000万円までは融資に応じてもらえる可能性があります。

借入期間が20年や30年といった長期に対応していることが多いため、借入額が大きくなっても収入の範囲内の返済額で収まります。

 銀行の担保ローン

不動産購入ローンといっても、やはり銀行は審査に厳しい傾向があります。返済できなくなったら不動産を処分して資金回収するとはいっても、借入額に見合った返済能力があるかどうかを詳しく審査します。

ただ、担保があるということは大きなファクターで、通常のおまとめローンを申し込んでも審査に通過できなかった人が、不動産担保ローンにしたらすんなり通ったという事例はいくらでもあります。

金利は10%程度と低金利に設定されることが多く、カードローンよりも低くなって金利面でのメリットは高いと言えます。

 ノンバンクの担保ローン

銀行以外の「ノンバンク」と呼ばれる金融機関でも不動産担保ローンが提供されています。

消費者金融業者にも不動産担保ローンがありますし、なかには不動産担保ローンの専門会社もあります。

ノンバンクのメリットは信用情報の審査はするものの、担保があれば融資に応じてもらえる可能性が高いことです。なかには、金融のブラックリストに載っているが不動産を担保に提供したら融資されたという事例もあります。

 手数料が高いので注意

金利は銀行であれノンバンクであれ、通常のカードローンやおまとめローンよりも低くなることがほとんどですが、手数料が高いものが多いので注意しましょう。不動産を担保にすると、登録免許税という税が発生します。

これは融資額の1000分の4と定められており、1000万円を借りると4万円必要になります。それ以外にも、司法書士への報酬や事務手数料などで20万円ほどかかります。

まとめ

おまとめローンで年収以上に借りるというのは、かなり困難ですが不可能というわけではありません。

サラリーマンでも個人事業主ならビジネスローンが利用できますし、不動産を担保にできればかなり高額の融資が受けられます。